研究職志望の理系院生就活におけるインターンの活用

そろそろメーカー各社で、サマーインターンの
募集に向けた動きが本格化してきたと思います。

理系院生の方の中には、インターンに
応募すべきかどうか迷っている方もいるのでは?

結論から言うと、インターン制度を活用するに
越したことはありませんが、無理にやったところで
就活に有利になるものではない、とご理解ください。

この記事では、インターンに応募するメリット、
デメリット、就活への影響などについて
述べようと思います。

ご自身がどのような選択をするのか、
参考になれば幸いです。


研究職の製薬メーカーにおけるインターンの概要

会社や職種によって、インターン実施の形態は
様々だと思いますが、ここでは研究開発職の
比較的長期な形を例として説明していきます。

まず第一に期間についてですが、
一般的には1~2週間だと思います。

文科省主導で、2~3か月程度の長期で、
給料を支払ってインターンを実施するという
話が進んでいましたが、実際にどの程度企業が
本気でこれに取り組むのか、まだ世の趨勢は
明らかになっていないと思います。

座学だけのケースだと、1日ないし2日程度で
実施するのが一般的ではないでしょうか。

内容は、まず会社概要の説明と、実際に現場で
実験するための安全教育を行います。

その後、現場で面倒を見てくれる先輩社員と
顔合わせをして、作業内容の説明を受けます。

実験作業を行いながら、空き時間に業務内容の
質問を受けたり、他の社員との交流などで会社の
理解を深める様々な企画が用意されています。

配属された職場によっては、業務終了後、
食事や軽い飲み会を開催して親睦を深める
ケースもあります。

一連の作業が終わるころ、業務報告や感想などを
インターン生にまとめてもらい、先輩社員から
フィードバックをもらう、というのが全体像に
なるかと思います。

インターン実施のメリット

インターン生の視点

・社風が肌で感じられる
・業務内容の理解が深まる
・研究者の生活パターンが実感できる

企業側の視点

  • 優秀な学生さんの志望度を上げられる
  • インターン生の人となりがわかる
  • インターン生の満足度が高ければ風評が良くなる

いちばん大きなメリットは、インターン生、企業側ともに様々な感触を肌で感じられることだと思います。

企業説明会などで、登壇した人が魅力的だったからという志望動機をよく耳にしますが、それはあくまで個人の印象、という事を考える必要があります。

たまたま会ったその一人と、全体の社風が一致していればよいのですが、必ずしもそうとは限らないという事です。

ある一定の期間、その会社に属する様々な人と直接接触することは、自分が働きたいと思える場所かどうかを判断するうえで、大きな材料となるはずです。

研究職インターン実施のデメリット

インターン生の視点

  • 応募や選考に時間と手間がかかる
  • インターン実施期間に時間が取られる

企業側の視点

  • 受入れの準備と受け入れた際の対応に大きなコストがかかる

デメリットについては、お互いに手間やコストが
大きくかかる、という事に尽きるかと思います。

応募する学生さんも大変な思いをされていることは
十分承知しています。

その一方で、受け入れる企業側も多大なコストを
払っていることは、よくご認識いただければと
思います。

社外の人に我々が普段使っている実験室を
使ってもらうという事は、秘密保持や
安全の確保という観点から、受入れ側は
大きなコストを払っています。

面倒を見る先輩社員も、インターン生の
世話をしている間は自分の仕事が思うように
進みません。

それでもインターン生を受入れるのは、やはり
会社は人なり、という考え方からだと思います。

就活への影響

インターンを経験したかどうかが就活に
どう影響するのか?は学生さんにとって
気になるところだと思います。

結論から言ってしまうと、+アルファには
なるけれども、していないからと言って
不利になることはない、とお考え下さい。

私は研究職採用において、合否を決定する
立場にありますが、インターン経験の有無で
合否を決した経験はありません。

あくまで”オマケ”的な要素に過ぎないという事です。

もちろん”オマケ”的な要素であってもプラスに働く、
という考え方もできますが、大きな要素には
なりえないと思います。

企業が学生さんに求めるのは、就職する前に
研究の手技や考え方をしっかり学んできて
欲しいという事です。

インターンに参加することで、本来やるべき事の
時間を取られて、しっかり出来なく
なってしまっては本末転倒だとご理解ください。

まとめ

インターンを経験することによって、
得られるものは学生さん、企業側それぞれに
多くあります。

一方で、インターン経験の有無が
就活の合否に大きく影響することはありません。

インターン制度はあくまでお互いの理解を
深めるためのものであって、就活で合格を
得るためのツールではない、と考えるのが
妥当だと思います。

みなさんが正しい選択をするために、
少しでも参考になれば幸いです。

疑問や感想などお持ちでしたら、
コメント欄に記入していただければ
可能な範囲で回答したいと思います。

何でも気軽に聞いてみてください。

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