製薬研究職の転職:BioinfoとCMCは超売り手市場?

以前の記事で、製薬業界でもご多分に漏れず、

転職市場が活発化していることについて書きました。

実際にどのような状況なのか見てみましょう。


研究職の転職市場が活性化している背景

コロナ禍のご時世特有の状況かもしれませんが、

研究職でもDryの業務が主なメンバーや

マネジメント層などは、在宅で勤務していることが

多くなりました。

これから研究職の在宅も

常態化していくんだろうなと思います。

そういう人が久しぶりに出社したと思ったら、

いきなり退職(転職)を申し出て現場が混乱する、

というケースが顕著に増えています。

ただ、こう言ったケースに限らず、

現場から人が抜けていく局面は

往々にして唐突に起こることが多く、


頻発すると穴埋めに本当に苦労します。

この穴埋めで最も有力な手段がキャリア採用です。

弊社でも、専門分野によりますが、

ほとんど通年で

キャリア採用の募集をかけているような状態です。

転職を目論んでいる方には

チャンスが広がっている状況かと思います。

研究の専門分野によるニーズの違い

専門分野による、と前述しましたが、

業界全体で人材が極端に不足している

分野があります。

CMC(Chemistry, Manufacturing and Control)と

バイオインフォマティクスは、

どんな条件で募集をかけても

なかなか応募してくる人が出てこない

という状況が長いこと続いています。

(注:応募者はいるのですが最終面接まで

たどり着く人がほとんどいない、という事です)

その一方で、薬理屋さん(Pharmacologist)や

Molecular Biologistは、

世の中的にも企業所属の研究者も

元々の数が多いので、

それほどひっ迫した感じはありません。

薬物動態や毒性については、

各国の規制当局(FDAやPMDA)の要求が

変わりつつあることに影響を受けているようです。

Modeling &Simulationを重用したり、

実験動物使用削減を目指して

In silico解析を推奨したりしているので、

このような専門性を持った人は

引く手あまたな状態だと思います。

転職しようと思ったら、まずは自分の市場価値を知る所から始めよう!

いずれにしても、転職市場が活発化していることは

間違いありません。

転職を考えている方は、ご自身の市場価値と

世の中のニーズをしっかり見極めて、

ご自身のキャリアアップになる移籍を

考えていただきたいと思います。

転職した人、受け入れた企業の両方が

ハッピーになれるのが良い転職だと思います。

最近は転職エージェントなども

充実してきましたので、

より計画的、戦略的な転職を

実現していただきたいと思います。

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製薬研究職の転職:BioinfoとCMCは超売り手市場?” に対して4件のコメントがあります。

  1. そうのすけ より:

    こんにちは。
    いつも記事を興味深く拝見させていただいております。
    今回の記事で一点気になった (質問したい) 部分があるのですが、

    バイオインフォマティクス人材における「注:応募者はいるのですが最終面接までたどり着く人がほとんどいない、という事です」というのは、「応募者はいるものの、経験の差異や専門性・企業とのマッチングで落とさせてしまう人が多い」ということなのでしょうか?

    自分自身、バイオインフォマティクスに関連する研究をかれこれ7年ほどやっており、製薬への転職を考えているのですが、どのような温度感で企業側は落とした人材を捉えていたのか気になりコメントさせていただきました。
    可能でしたらお時間ある際にご教示いただけますと幸いです。

    何卒よろしくお願いいたします。

    1. みなみん より:

      ご質問ありがとうございます。最終面接の前で落ちてしまうので、私は具体的な理由を把握してはいないのですが、可能性として
      ①まず人事が見て、協調性や弊社の社風に合うかなどの観点で問題がある
      ②次に研究所の部長級が面接して専門性の高さが足りなかったり、やりたいことの拘りが強くて弊社のニーズとマッチしない
      などの理由が考えられます。日本では一度採用したらクビは切れませんし、特に研究者は、入社してから能力が足りなかったり周囲とトラブルが起きたりしても、他へ移すのも難しいので慎重にはなります。

      1. そうのすけ より:

        ご回答ありがとうございます。
        大変参考になりました。確かに、やりたいことのこだわりが強くなってしまうのはアカデミアからの転職だとありがちなことかもしれませんね (特に専門性と経歴が多ければ多いほどに。。。)。
        特に、協調性などは印象の部分も多いかと思いますので、フレキシブルに対応できる面をアピールするのが大事だと思いました。特に情報系と呼ばれる方は気難しそうな印象を持たれることも多いですし。

        これからも投稿楽しみにしております。今後ともよろしくお願いいたします。

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